キョン皮の歴史と「鹿皮の誤認」


キョン鹿皮説明

日本でヤマト王権以前から使用されて続けている「鹿皮」は和鹿の皮では無く「キョン皮」です。

武具業界などではキョン皮を「古唐 (古い時代から中国から来た鹿)」・「小唐(中国から来た小さい鹿)」

と言われ、武具に使われた歴史は、1500年前の唐時代以前からと言う事も読み取れます。

記述が残るのは、中国歴史書『三国志』中の「魏書」第30巻烏丸鮮卑東夷伝倭人条に朝貢時の返礼に品の中に

キョン皮が記載されています。

これは、キョン皮の濾過能力に起源が有り、中国では周の時代より、キョン皮の袋で水を漉すと「安全な飲み水」を

得る事が出来る為、権力者によってキョン皮は集められ、「宝物」となっていたのが卑弥呼朝貢時返礼の品として賜らされた原因です。

命を守る物ですので、人間は漢字で、「サンズイ辺に鹿」を組み合わせ漉すと表現し知恵の伝承しようとた

のですが・・・

  安全な水を作る袋「漉し袋」の名前の変化   漉し袋→腰袋→信玄袋→合切袋

  (正しい素材・ナメシ処方・正しい技法が無いと濾過能力は発揮致しません。)

濾過能力以外にも色々なの能力を持つキョン個体は、中国江西省から内モンゴルにかけての高塩分濃度の、

粘土質赤土土壌に生息するキョンのみで、この土壌産地のキョンは本物として「赤土のキョン」と呼ばれます。

キョン鹿はユーラシア大陸に点在して生息しますが、

正しい本物素材として、日本では赤土のキョンを使用し続けたのは、正しい選択をする日本人気質ともいえます。

和鹿の皮は、「和鹿皮」と表記され、濾過能力や他、色々な能力が殆ど無いため、ほぼ使用されませんでしたが、

通常、鹿皮と言うと和鹿の皮と勘違いされるのは当然で、当業界の広報不足が原因と謝罪させて頂きます。