武具用鹿皮・・「何故、鹿皮(キョン皮)を使用し続けたのか・・現在は・・?」

武具は元来、戦争の道具として作られ、形状・工法・素材とより良い物をと知恵を絞り、代々に渡り伝承し、

使われる素材も色々な物を試行錯誤し、素材の特徴を完全に把握した上で、最適な物を選択し「答え」に辿り着きました。

武具素材として、日本で選択され「キョン皮」です。

キョンは、武具業界では「古唐」または、「小唐」と呼ばれます、意味は下記の通りです

*「古唐」 古い時代から唐(中国)からきた鹿皮  

*「小唐」 唐(中国)から来た小さい鹿皮

人知に選択された理由としてキョン皮は、「ショック吸収能力」「殺菌、除菌能力」「濾過能力」「復元能力」「防汚れ能力」「防臭能力」「耐久性」に他に例を見ない性能を持っている事を武具職人は理解し、正しい工法を生み出し続け、長い歴史をへて文化として現在に受け継がれています。

しかし、全てが受け継がれているのでは無く、戦争の道具、扱い方などが剣術に、現在はスポーツとなり、本来もっていなければならない、「武具で有る事の条件」や知識に基づいた工法などが伝承された「本物」は消え去りつつあります。

武具が、スポーツ用品となり、本来武具の性能、防御性よりも、価格面の配慮や、付加価値としての装飾などへ方向性が傾きだし、50年以上経過し今、武具の重要な役割自体が忘れられ続けています。

武具素材を生産する業者として、何故鹿皮を利用したのか・・と言う古くからの知恵と、正しい使用方法を各項に記入させて頂いています、どうぞ、ご興味のある項をご覧下さい。

また、下記はキョン皮の代表的な能力と性能についての試験データなどです。

鹿皮(キョン皮)の能力と性能